津田大介「虚偽ニュースを犯罪視するドイツの取り組み」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「虚偽ニュースを犯罪視するドイツの取り組み」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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メルケル首相の側近、フォルカー・カウダー氏 (c)朝日新聞社

メルケル首相の側近、フォルカー・カウダー氏 (c)朝日新聞社

 なぜここまでドイツ連立与党は虚偽ニュース対策を急ぐのか。

 背景には今秋のドイツ連邦議会選挙がある。英国のEU離脱決定やトランプ次期大統領を生んだ米大統領選で、虚偽ニュースの拡散が国民投票や選挙の結果に影響を与えた可能性を重く見た彼らは、虚偽ニュースの拡散を抑え込む必要に迫られているのだ。

 より具体的に言えば、ドイツで急速に得票数を伸ばしている極右政党・ドイツのための選択肢(AfD)が、英国のEU離脱派やトランプ支持者たちが行った虚偽ニュースを利用したキャンペーンで票を伸ばすことを懸念しているということだ。彼らには急ぐ理由がある。

 虚偽ニュースの定番は、移民や難民に対する憎悪をかき立てる事実に基づかないデマであり、ヘイトスピーチと虚偽ニュースはそもそも地続きの話。全世界に先んじて虚偽ニュースの作成や流通を犯罪化させようとしているドイツの取り組みに注目したい。

週刊朝日  2017年1月27日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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