小池氏の政治塾「希望の塾」は1月7日、都議選の候補者絞り込みのための筆記試験を実施。約1600人の塾生がつめかけた。故・鳩山邦夫衆院議員の長男の鳩山太郎氏や、タレントのエド・はるみ氏、元テレビ朝日アナウンサーの龍円愛梨氏などの姿もあった。

 試験は午前と午後の2グループで各3時間。論文問題に加えて、計算などのマークシート問題、性格診断テストが行われたという。試験を受けた塾生の勝田晴美氏がこう語る。

「かなり難易度が高かった印象です。論文のテーマはいくつかあり、都政の最重要課題を二つ挙げて予算などに触れながら解決策を論じるものや、CO2削減を定めた京都議定書について発展途上国と先進国の両方の立場から論じるといった内容。理想ばかりを語るのではなく、費用対効果も考えられる即戦力の人材が求められていると感じました」

 塾生たちの大量当選はかなうのか。その試金石となりそうなのが、都議選の前哨戦と言われる千代田区長選(1月29日告示、2月5日投開票)だ。

 5選を目指す現職の石川雅己区長(75)を小池氏が応援するのに対し、自民党都連は与謝野馨・元財務相のおいの与謝野信(まこと)氏(41)の擁立を決定。千代田区は内田都議のおひざ元でもあり、勝負の行方に注目が集まる。

 小池氏は13日の会見で与謝野氏の擁立について、

「とても自民党的な選び方という印象。多分、猛烈な組織選挙をされるのでしょう。与謝野(馨)さん、そういえば最後は何党でしたでしょうかね? 甘党?」

 馨氏が自民党を離党し、後に民主党政権で大臣を務めたことなどをやり玉に挙げて痛烈に皮肉った。

 闘志むき出しの小池氏と裏腹に、自民党側の動きは静かだ。ある党都連幹部が冷ややかにこう語る。

「信氏が昨年12月に論文を出して都連に公認を申請した。馨氏は最初止めたが『どうしても出たいなら勝手にしろ』と突き放したとか。政治経験のない信氏は苦しい戦いでしょう。都連幹部会の席でも下村都連会長は『公認申請があがってきました』と、一言だけでそっけなかった。石川氏は数年前に決裂するまでは内田氏とも関係は良かったし、区政が大きく変わるわけではありませんから」(本誌・上田耕司、小泉耕平、村上新太郎)

週刊朝日  2017年1月27日号