和田さんは、このアウトプット重視型の勉強に、特に向いているのが団塊の世代だ、という見方を示す。若者にはない「反骨精神」こそ大きな武器だという。

「団塊の世代は、若いころ、学校や教師に反発した人も多いはず。その気持ちをぜひ思い出してほしい。権威や常識に疑いを持つ姿勢があれば、教わったことをうのみにせず、自分なりの意見を持つことができると思います」(和田さん)

 それをフェイスブックやブログなどを使って発信してみるのもいい。

「多くの人におもしろいなと思ってもらえますよ。定年後の60代に、多様な考え方を提示し、自分なりの考えを言って目立てば、人生の新しいステージにいけるかもしれません」(同)

 一方、年を取るにつれて自分のそれまでの経験から「これはこういうものだ」と、はじめから決めつけてかかると、頭を使わなくなってしまい、学ぶ楽しさが感じられなくなる。和田さんは次のように言う。

「生き生きと毎日を過ごすためにも、意識的に自分の意見とは違う考えに触れてみてください」

 例えば、自分は「左寄り」だと思う人は、あえて「産経新聞」や「正論」、「Voice」など保守系の新聞や論壇誌を読んでみる。反対に、「右寄り」な人こそ、「朝日新聞」や「世界」を手に取ってみる。主張に染まる必要はなく、自分とは違うものの見方が世の中にあることを知り、頭を柔らかく保つための訓練のようなものだ。

「自分とは違う意見や考えを冷静に見られるようになれれば、まだまだ成長できます」(和田さん)

 このような勉強法を続けていくことで、情報への接し方は変わってくる。受動的にならず、自分の頭で考えるくせがつく。

「ワイドショーのコメンテーターの発言を聞いて『レベルが低い』なんて言えるようになれたらしめたものです。ぜひ挑戦してみてください」(同)

 年明けは、新しいチャレンジに最適な時期。学びの一歩を踏み出し、もう一度、人生の花を咲かせよう。

週刊朝日 2017年1月20日号