と関心が高まっているデータを示し、LCCが伸びている理由として価格のほかに買いやすさをあげる。

「大手の航空会社は往復券が一般的で片道だと料金も高くなりますが、LCCは片道でも安いチケットが購入できるのが魅力です」

 12年3月に関空を拠点に福岡と新千歳への2路線からスタートしたピーチは現在、国内線14路線、国際線12路線にまで拡大した。昨年11月、運航中の18機に加えて、新たに13機の航空機を購入すると発表。関空と那覇の2カ所の夜間の駐機拠点を、仙台と新千歳を加えた4カ所に増やす計画だ。拡大基調について、ピーチの担当者はこう解説する。

「『空飛ぶ電車』という使い方が浸透してきたと感じる。また他社を含めて便数が増えたことで、LCCの認知が広がったと思います。潜在需要の開拓ができたことが大きい。20代、30代の女性や、50代、60代で積極的に活動する“アクティブシニア”など、これまでLCCを利用していなかった世代がこのところ増えています」

 担当者によるとアクティブシニアの特徴は「思いつき旅行」。花火大会を見に行こう、サーフィンしに行こう、おいしい海の幸を食べに行こうと、「ちょっとそこまで」の感覚で気軽に利用するという。

 例えば成田午前6時発のジェットスターで新千歳に行き、帰りは午後8時5分発のバニラエアに乗れば日帰り札幌グルメ旅行が楽しめる。最安値なら往復チケット代は1万円以下と財布にもやさしい。

 LCCは1機あたりの座席数を多くしたり、営業所を減らしてネット予約中心にしたり、安全性を除くコストを徹底的に切り詰めて安値を実現している。食事は有料のオプションで、荷物の制限も厳しい。ピーチでは手荷物は2個合わせて10キロまでで、預けるときは別途料金がかかる。ジェットスター、バニラエア、春秋航空も条件に違いはあるが同様だ。乗り慣れていない人は、事前に確認したほうがいいだろう。

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