そこでやはり悲願となるのが憲法改正だ。ただ、17年に解散・総選挙に打って出た場合、実現は微妙だ。

「仮に自民が25議席前後負け、公明、維新が現状維持であれば、3分の2を割り込む。先送りが迫られるでしょう」(同)

 かといって、三つ目の欲を優先させると、今度は長期政権が崩れてしまう可能性があるという。

「将来、国民投票に持ち込んでも、緊急事態条項などの改正案は逐条審議。一つでも否決されれば、国民にノーを突きつけられたも同然。その瞬間に内閣総辞職せざるを得なくなる」(同)

 さらに、伊藤氏は橋下徹前大阪市長と小池百合子都知事の動きにも注目する。

「安倍首相が橋下氏に期待しているのは間違いない。しかし、橋下氏は政界再編を仕掛け、政権交代を視野に入れている。小池氏は上昇志向が強く、自民党総裁の夢を捨てていない」(同)

 一強が続く安倍政権の「終わりの始まりの年」になるのか。

週刊朝日 2017年1月6-13日号