フジマキ氏 日銀・黒田東彦総裁のおこがましさに懸念 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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フジマキ氏 日銀・黒田東彦総裁のおこがましさに懸念

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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藤巻健史氏は、日銀・黒田東彦総裁のおこがましさに懸念を抱く(※写真はイメージ)

藤巻健史氏は、日銀・黒田東彦総裁のおこがましさに懸念を抱く(※写真はイメージ)

 秋刀魚も国債も、いつかは購入をやめたり、売ったりするときが来る。その際に思い通りに値段を操れてこそ、「コントロール」といえるはず。実際に購入をやめたり、売ったりすれば、価格は真っ逆さまに落ちるだろう(=長期金利は暴騰)。

 それを知りつつ、「コントロールできる」と言う日銀は、おこがましい。気づかないなら、洗濯屋のタグがついたままの私以上におめでたい。

 本当に制御できるならば、長期金利の指標となる10年物国債の利回りは、彼らの宣言通りに0%近辺で推移するはず。しかし、利回りは12月16日に一時、0.100%まで上昇した。

 米国の10年物長期金利は大統領選後、急上昇している。12月21日現在で2.53%。7月上旬には1.35%台だった。

 さらに、OECD(経済協力開発機構)が11月、米国の18年の成長率予想を3.0%と発表した。成長率が3.0%なのに10年物金利が2.5%の低さということはありえない。さらなる上昇が予想される。

 日米の金利差拡大は強力な円安・ドル高要因だ。

 外国債投資の最終利回りは、受取利息と満期時の為替で決まる。10年物国債で考えよう。米国債が日本国債より高い利息ならば、10年後にその分を為替で損してもチャラになる。その為替の分岐点は12月22日時点で、およそ1ドル=87円。10年後のドル・円が1ドル=87円以上と予想するなら、高利回りの米国債に投資したほうが有利になる。

 金利差が広がるほど、損益分岐点のドル・円レートは下がる。機関投資家は米国債投資へのモチベーションが高まり、円をドルに替える動きにつながる。私がドル高・円安を予想する理由の一つである。

週刊朝日 2017年1月6-13日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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