「彼女は練習で自分を追い込み、手を抜かない根っからのアスリート。しかし、今は練習をすれば痛みにつながる悪循環です。ジャンプ以外のステップやスピン、表現力などは向上しているので、今シーズンは休息を取り、治療に専念するのが最優先課題です」(佐野氏)

 実際、同様に左ひざに痛みを抱えたイタリアのカロリーナ・コストナーはソチ五輪前年のGPシリーズを休養し、27歳で五輪で銅メダルに輝いた。

「ベテランは練習量や試合数を絞ってけがと付き合いながら、ここ一番で力を発揮する戦い方が求められます」(スポーツ紙デスク)

 今季は日本女子のエースと言われる宮原知子(18)や昨季の世界ジュニア女王に輝いた本田真凜(15)、天才少女の異名を取る樋口新葉(15)ら、若手の台頭が顕著だ。

「浅田選手も焦りは感じているでしょう。でも、1シーズン休養し、何が一番したいかわかったはず。それが彼女の強み。けがさえ治れば、トリプルアクセルも必ず跳べる」(佐野氏)

 12月には公の場で笑顔も見せた浅田。ずばり、五輪代表選考の場となる1年後の全日本選手権に照準を合わせているようだ。

週刊朝日 2017年1月6-13日号