受験生がアントニオ猪木から「闘魂注入ビンタ」を受け、気合を入れる。親はそんな場面をテレビなどで見た世代。受験に“勝つ”のも気合が大事、と感じる親からすると、今の若者は軟弱に思える。厳しく接してしまいがちだが……。

「日本人はかつて国際大会に出ると、『本番に弱い』なんて言われました。でも、リオ・オリンピックでは若手選手が大活躍しましたよね。今の若者は、ほめられて伸びてきたプラス思考の世代。だから、本番で強さを発揮できる一面がある。周囲の人は、受験生が本番で自信を持てるように接してあげてください」(横井さん)

 最後の1カ月間にどれだけがんばれるかは、その後の子どもの自信にもつながる。受験勉強は苦しい半面で得るものも大きい、と和田さんは指摘する。

「志望校合格には、自ら計画を立て、生活習慣を改め、遊びの誘惑も断ち切る必要がある。目標に向け、自らの能力を分析し、最短の道のりを探して懸命に努力する。それは、社会に出てからも必要な能力です。受験で得た経験は、必ず将来の糧になるはずです」

 成功体験を築けるよう、親も子も協力して直前期を乗り切ってほしい。

週刊朝日  2017年1月6‐13日号