今年も多くの著名人が静かに旅立った。故・白川由美さんの葬儀・告別式で喪主を務めた、白川さんの長女で元俳優の二谷友里恵さん。最愛の母である白川さんとの思い出やエピソードについて、二谷さんの関係者が本誌に明かしてくれた。
※6月18日、東京・祥雲寺での葬儀・告別式で
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「母は、明るく本当に“人”が好きで、人が集まること、賑やかなことが大好きな人でした。こうして母の大切な皆さまがたに見守られながら、最愛の父の元へ旅立つことができ、本当に幸せだったと思います」
葬儀・告別式で、千人近く集まった参列者に対し、こう話したという二谷さん。遺影には、白川さんが俳優として多くの輝きを放った20代前半の写真が使われた。東宝に入るきっかけとなった一枚で、白川さんが最後まで持ち歩いた、手帳の裏表紙に大切に挟まれていたものでもある。
「人生の最後まで、“現役”にこだわっていた母の思いを大切にしたいという、二谷の思いが込められました」(二谷さんの関係者)
お洒落が好きだった白川さん。オートクチュールで作られた服は全て、故・植田いつ子さん(皇后陛下のドレスやスーツを手掛けたファッションデザイナー)によるものだったという。
「植田さんとは、公私ともにかれこれ50年近いお付き合いだったそうです。棺に入るときにも、植田さんデザインのパンツスーツをまとわれました」(同)
白川さんは、夫である俳優の二谷英明さんが2012年に亡くなってからの約4年間、「夫との思い出がつまった目黒の自宅には帰りたくない」と、二谷さんの自宅で孫(二谷さんの子)たちと一緒に暮らしていた。喜寿(13年)の祝いのときには、二谷さんの自宅に白川さんの友人らを招いて、ホームパーティーが開かれた。
「喜寿の前年に英明さんが亡くなられたこともあり、白川さんを励まそうという思いから、二谷が英明さんと白川さんのヒストリー映像を作って披露しました。二人が出会った頃から晩年にいたるまでの歴史を綴った内容です。これには白川さんも大変喜ばれていました」
最愛の夫のもとへ旅立った白川さん。天国で夫と再会し、二谷さん一家をあたたかく見守っているに違いない。
※週刊朝日 2016年12月23日号