「まず『体質』がしっかりしないと」東尾修が古巣・西武に喝! (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「まず『体質』がしっかりしないと」東尾修が古巣・西武に喝!

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
新しい年、西武・渡辺久信SD(左)の手腕が問われる。右はドラフト1位の今井達也投手=2016年11月、宇都宮市の作新学院 (c)朝日新聞社

新しい年、西武・渡辺久信SD(左)の手腕が問われる。右はドラフト1位の今井達也投手=2016年11月、宇都宮市の作新学院 (c)朝日新聞社

 過去にメジャー移籍した松井稼頭央、松坂大輔、中島裕之の3人には、日本に戻るときにどれだけ真剣にアプローチしたのか。3人ともに球団の功労者だよ。「戦力として必要か」だけでは測れないものがあるのではないか。条件面の決裂なら百歩譲って致し方ないが、いの一番で交渉に乗り出すなどの「姿勢」を示したのか。熱意がなければ、生え抜きのスーパースターはどんどん外に出てしまう。渡辺久信シニアディレクター(SD)は現役時代からともに戦った仲間だが、就任から丸3年が経過した。そろそろ体制の欠点を指摘し、陣頭指揮を執ってチーム改革に乗り出すべきだと私は思っている。

 あとは現場のコーチの意識だ。私は西武の前身の西鉄に入団してから4年目までは37勝61敗。入団直後に黒い霧事件があって、先発が足りない中で登板機会を多く与えられた。右打者の体に向かって左肩を入れ、そこから外角にスライダーを投じたり、目線を打者の顔に向けて投げたり、負ける中で考えたのは、いかに相手打者がいやがることができるか、だった。

 本当の才能を持ったスーパースターは王道を歩んでいい。しかし、そういった一部の選手をのぞいては、特長のぶつけ合いだ。豪速球が武器の投手が、制球やバランスを意識するあまり球威が落ちたら元も子もない。教科書通りの教え方だけでは、同じような選手しか育たない。

 西武監督時代にはある選手に「打者の嫌がる投げ方をしてみろ」と話したことがある。肩や肘の負担を考えれば、体に負担のかかる投球フォームだったが、チーム状況、どの場所で1軍の戦力になれるか、自らの立ち位置というものを考えてもらった。プロは食うか、食われるかの世界だ。

 厳しい言い方かもしれないが、今の西武には球団、現場の意識も含め改革が必要だ。17年こそ、変わり身を期待している。

週刊朝日 2017年1月6-13日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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