「派閥の後継となれるような人望のある議員がいないし、引退はない。細田氏はIR議連の会長なので、カジノ法案通過の見返りにセガサミーの里見治会長の娘婿である鈴木氏に地盤を譲るという動きだったが、本人は『そんな話はない』と怒っていた。慌てて、鈴木氏を東京18区の土屋正忠氏の後釜にし、菅直人元首相への刺客にするようだ」

 また、7月にサイクリング中に転倒して以来、公の場に姿を見せていない谷垣禎一・自民党前幹事長(71・京都5区)が出馬するかも不透明だ。事情を知る自民党議員はこう語る。

「かなり状態が悪いらしく、京都府連や党本部にも本人と話した人はいない。親族は秘書の弟や娘2人がいるが、『谷垣家から後継は出さない』との方針。選挙運動ができなくても本人が出馬すれば、当選は堅い」

 衆院議長を務めた伊吹文明氏(78・京都1区)にも引退の噂がある。

「伊吹氏は子息が経産官僚だが、妻が外国王室の一族らしく、後を継ぐのは厳しいようだ。財務省の後輩で後継者を探しているが、いい玉が見つからず、自ら出るとウォーキングに励んでいる」(自民党関係者)
 
さて、結果はどう出るか。(本誌・村上新太郎、小泉耕平)

週刊朝日 2016年12月23日号記事に加筆