松山英樹選手(24)と石川遼選手(25)が日本代表として戦った「ISPSハンダ ゴルフワールドカップ」。丸山茂樹氏がその試合を振り返る。

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 男子の国・地域別対抗戦「ISPSハンダ ゴルフワールドカップ」(11月24~27日、オーストラリア・メルボルンのキングストン・ヒースGC)で、松山英樹(24)と石川遼(25)の日本代表は28チーム中6位でした。初優勝のデンマークには、6打届きませんでした。

 僕は二人が最高の状態でかみ合えば、十分に優勝争いはできると思ってました。今回は歯車がかみ合わなかったのかな、と。パー5でしっかりバーディーをとっていくという持ち味が出せてませんでしたから。

 英樹は好調をずっと維持してたんですけど、それをワールドカップまでは持ってこられなかった。これもゴルフの難しさなのかなと思いましたね。それでも、頼もしいプレーはしてくれました。遼は英樹が調子悪くてできなかった部分を補えてたように見えました。お互いに「迷惑をかけた」とか「申し訳なかった」なんて思ってるかもしれませんけど、それはもちろん、いついかなるときでもあることだと思うんです。僕は、いいペアだったと思いますけどね。

 交互に一つの球を打つ「フォアサム」と、二人のベストボールで争う「フォアボール」。戦い方が日替わりですから、初めてだと対応するのが難しい。コースもそれなりにタフだったのかなと思いますし。まあ、アダム・スコット(36)を擁し、優勝候補筆頭だったオーストラリアも9位ですから。そんなに簡単じゃないというのは一目瞭然なのかなという気がしますけどね。

 英樹と遼は、何が足りないか、どうしたらよかったのかというのがわかったと思うんで、次の大会でもしまたペアを組むことになれば、確実にこれ以上の成績は収めるでしょうね。

 
 僕が伊澤利光さん(48)と組んで優勝した2002年は、お互いが絶好調だったってのが大きいです。僕が12歳の頃から伊澤さんを知ってて、意思疎通がしやすかったのもあります。それに、前年の日本でのワールドカップに出て経験を積んでましたしね。

 英樹は遼にパートナーのオファーを出した理由を「遼と組んで優勝できたら日本の男子ゴルフ界を変えられると思った」とコメントしてます。ほんとにそうだと思いますし、優勝できなくても、ちょっとずつ、ちょっとずつみんなにいい影響を与えていってくれるのは確実だと思ってます。

 タイガー・ウッズ(40)が自分の主催試合「ヒーローワールドチャレンジ」(12月1~4日)で競技に復帰しました。締め切りの関係でここでは結果に触れられませんけど、今回の試合はエキシビションマッチですから予選落ちもないですし、それなりに気持ちよくできたと思うんですね。あんまり余計なね、世の中の期待を一身に背負うとかわいそうですから、最初の試合ぐらいはこうやって、リラックスしてやってほしいです。みんなの前に現れてくれるだけでいいんじゃないですか? タイガーは。

 最後に12月23日のイベント「丸山茂樹ジュニアファンデーション Xmas Golf for Kids Supported by SUBARU」にたくさんのご応募ありがとうございました。抽選の上、結果をお伝えしました。当日、楽しみましょう!

週刊朝日  2016年12月16日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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