ミッツ・マングローブ「自業自得の暴発をする自由の国の限界」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「自業自得の暴発をする自由の国の限界」

連載「アイドルを性せ!」

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ミッツ・マングローブがドナルド・トランプについて語る

ミッツ・マングローブがドナルド・トランプについて語る

 そんな勢いに便乗して、今一度「根っからの保守性」を振りかざすつもりでいる古い世代の代表がトランプ氏であって、双方のモヤモヤしている人たちの行き場のない感情が、彼の乱暴さと妙な共鳴をしてしまったのでしょう。実際、トランプ氏が当選した途端に、明白な差別的言動が表立っていますし、反トランプ派による節操のない反対行動や権利の主張も、人としてのバランス感覚を失っているように見えます。どちらも勝手に、トランプ当選を『(タガを外す)GOサイン』と解釈していて非常に性質(たち)が悪い。要するに人は、自分の都合しか考えていない生き物であるということに尽きるのです。遅かれ早かれ、律するには限界のある善と悪、理想と現実の破綻は避けられないといったところでしょうか。そんなことを言うと、まるで差別論者のように聞こえるかもしれませんが、少なくとも今の「平等至上社会」の強引さと、嘘臭さへの本音が顕になったのが大統領選挙結果なのだと思います。きっと、こんなことをこれから先も繰り返しながら、願わくば自分と周りの幸福だけを追い続けていくのが世の中ってものなのでしょう。

 それにしても次期大統領さん。散々自国の都合だけで好き勝手やってきて、今さら「もうアメリカには甘えるな」とは、逆ギレも甚だしい。どんだけ『自由の国』なんでしょうか。一度鎖国でもされて、いろいろと見つめ直してみたらよろしいのでは? オリンピックが始まる頃に、我が国の防衛大臣と東京都知事が、開国を迫って差し上げますので。そう言えば、トランプ当選が確定した際の稲田防衛大臣の「想定内です。うふふ」という肝っ玉なコメントが何とも頼もしく、さすが日本海育ちの敏腕女弁護士なだけはあると、妙に好感度が上がってしまいました。相変わらずメガネの位置は気になりますが。

週刊朝日 2016年12月2日号


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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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