北原みのり「世界一の商人の国、アメリカ」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「世界一の商人の国、アメリカ」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

作家・北原みのり氏が、次期大統領がトランプ氏に決まった米国での“女性性”について考える (※写真はイメージ)

作家・北原みのり氏が、次期大統領がトランプ氏に決まった米国での“女性性”について考える (※写真はイメージ)

 2016年、地球規模で、ここはまだまだ男の星のようだ。ヒラリー氏は「女だから」負けたわけではないが、女性を性的に貶める発言を軽々とできる男が大統領になれるくらいには、アメリカも男性優位な社会なのだ。ヒラリー氏は選挙後、「最も高いところにあり、最も硬いガラスの天井を破ることができなかった」と語った。「ガラスの天井」という言葉自体は、ずいぶん昔から使われてきた女性差別を表す比喩で、テッペンが見えているのに手を伸ばそうとしたらゴツンと突き当たる感覚をイメージしている。そしてもちろん「いつか割る」という意思も入っている。

 とはいえトランプ氏と安倍さんの「商談」を見ながら、そこにある金ピカのテッペンを、私たちが目指すべきなのかという疑問が湧いてくる。理念と思想ではなく、カネとパワーが物を言うようなビジネスマンの世界で、私たちが見上げるべきテッペンは彼らと同じでいいのだろうか。目指すべきテッペンを間違え続けている限り、ガラスが割れることはないのではないか。

 世界経済フォーラム(WEF)が調査するジェンダーギャップ指数で、日本は今年、144カ国中111位と過去最低の水準だった。ガラスの天井どころかテッペンを見る場所にすら、私たちは立っていない。その現実と闘っている多くの女性たちが見たいテッペンを、希望を持って描きたい。少なくともそこは、金ピカのオジサンたちの世界ではないはずだ。

週刊朝日 2016年12月9日号


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北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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