国際的個人投資家とかいう伯母・桃子(南果歩)も、負けじと(?)ルー(大柴)語を連発。「オーマイガッ」まではギリギリ許すとしても、「結婚パーティーの招待リスト、プリーズチェキラッ!」って、やめてその昭和なディスコテイスト。誰をとっても育ちの良さが感じられない、恐るべし高田総合地所なのだ。

 バンコクの都市開発計画のための100億円が調達できず、海辺の別荘へ逃亡する兄。こんな重大な案件を誰にも相談せず、いきなり投げ出すってあり得ないんだけど、ボートの上で遠い目してる桐谷に「やっぱりお前は浦島太郎」と、視聴者も納得の場面。

 それを知った弟は、伯母の婚約者でシンガポールの投資家・ミスター黒沢(竹中直人)に、融資を頼む。「俺に100億円貸してくれませんか? あなたが投資家だろうが詐欺師だろうがどうだっていいんです」。会って小一時間で、YOU借りちゃいなよ。しかも微妙に失礼なこと言ってるけど、カードローン・モビットのCMでおなじみ竹中は「はははは、面白い。100億円用意しよう」。

 もはや100億円が、千円くらいにしか思えない展開。原案・旧約聖書なんだから、あきれた神様が、大洪水起こして全て流しちゃうんじゃなかろうかってレベル。桐谷だけは、亀に乗って助かりそうだけど。

週刊朝日  2016年12月2日号