河合氏は「浅田選手がトリプルアクセルを連発していたころは、子供の体形だった。背が低いと軸が取りやすいが、年齢と共に体形が変わり、軸がぶれジャンプが失敗しやすくなる」と指摘しつつ、「フィギュアはジャンプだけではない。ステップやスピン、表現力など総合的には今のほうが断然いい。スケート全体としては成熟している」とみる。

 フランス杯の惨敗で過去4回優勝したGPファイナル(12月・フランス)出場を逃し、世界選手権(2017年3~4月・フィンランド)の切符は12月の全日本選手権にかけることに。ここで結果が出なければ、浅田の今季は終了となる。昨季の世界ジュニア女王に輝いた15歳の本田真凜ら若手の台頭が著しい中、現役最終目標を18年2月の平昌五輪(韓国)と掲げる。

 河合氏は「日本女子は5~6人が平昌で入賞できるレベルにあり、浅田選手であっても代表枠に割って入るのは簡単ではないのが現状です。ただ、本人がやれると思って、現役復帰を決めたことですし、全日本選手権では本気で滑って勝負する姿が見たい」とエールを送る。

 国民的アイドルの浅田。“限界説”を吹き飛ばして、再び真央スマイルを見せることはできるのか。

週刊朝日 2016年12月2日号