東尾修 サムライジャパンの“準備”に注目! (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東尾修 サムライジャパンの“準備”に注目!

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
侍ジャパンの練習には日本ハムの大谷翔平(右)らが参加した=11月6日、QVCマリンフィールド (c)朝日新聞社

侍ジャパンの練習には日本ハムの大谷翔平(右)らが参加した=11月6日、QVCマリンフィールド (c)朝日新聞社

 ただ、いくら準備しても、本番では想定外のことが起きるということを、首脳陣は常に頭に入れておく必要がある。WBC球への対応は、11月や自主トレ期間中は対処できていたとしても、春先の乾燥具合によって、突如として対応できなくなることもある。しかも、本当に腕を振った時にどうなるかは、大会直前の強化試合で実際に投げてみないとわからない。日本と米国では当然、気候も乾燥具合も異なる。その意味で、選手の対応能力を大会に入ってからも注視していく必要がある。

 前回大会では田中(現ヤンキース)がWBC球でスライダーが曲がらなかった。1次ラウンド初戦のブラジル戦は2回、23球で交代した。エースとして期待した選手だが、本来の能力とはほど遠い状態だった。もし、私が選手のプライドを優先させていたなら、こんな継投はできない。私は常に「代表は勝つために投手起用すべきだ」と考えていた。だから、その時点では別の投手のほうが抑える確率が高いと考え、山本監督と相談して交代した。中継ぎ登板をさせながら、状態が上がってきたら、決勝の先発をと考えていた。

 能力と実際の状態がかけ離れていた時に、どこまで信じて使うかの決断は首脳陣に問われる。そして、選手にその意識を持たせることも重要だ。直前に登板が変更になることもあるし、先発タイプの投手も救援に回ることがある。「なんで俺がこんな扱いになるのか」とか「もっと早く(登板日を)言ってくれれば」と感じる選手がいるなら、その時点で代表選手としては減点である。

 あらかじめ決めた順番どおりにはいかないことは首脳陣も頭に入っていると思う。権藤投手コーチは経験が豊富だし、野手出身である小久保監督の背中も押してくれるはずだ。起用の弾力性を生むことができるかで、結果も変わる。

週刊朝日 2016年11月25日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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