「選球眼がテーマ」と繰り返して言ってきた清宮だが、むしろそれに固執した感もぬぐえない。清宮は決勝終了後、「狙っていた球じゃなかった。ずっと調子がよくない。周りに助けられました」と反省の弁を口にした。

 和泉実監督は「清宮は成功体験が多いように思われるが、打ち取られた球をよく覚えている。修正能力は高い」と復調に期待を寄せるが、「清宮に対するマークは厳しくなっている。他の打者に投げる球を比べるとまったく違う」と打ち明ける。

 早稲田実は斎藤佑樹(日本ハム)を擁した2006年の春8強、夏は全国制覇を果たした。昨夏は4強に進出。来春の出場も確実視されているだけに、“清宮包囲網”はさらに狭まるに違いない。重圧をはねのけて甲子園の主役に名乗り出ることができるか。

週刊朝日  2016年11月18日号