田原総一朗「過労死事件が続く電通の大いなる“真実”」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「過労死事件が続く電通の大いなる“真実”」

連載「ギロン堂」

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田原氏は「日本の会社がそれぞれ感じているムードと共振するところがあり、昨今の事件からうかがえるような歪みも、日本の会社が抱える歪みと捉えたほうがわかりやすい」と指摘する (※写真はイメージ)

田原氏は「日本の会社がそれぞれ感じているムードと共振するところがあり、昨今の事件からうかがえるような歪みも、日本の会社が抱える歪みと捉えたほうがわかりやすい」と指摘する (※写真はイメージ)

 日本の会社がそれぞれ感じているムードと共振するところがあり、昨今の事件からうかがえるような歪みも、日本の会社が抱える歪みと捉えたほうがわかりやすい。電通の数多くのクライアントは、いずれも売り上げを上げることに躍起になっている。そのために、広告のあり方やイベントの展開の仕方などについて、電通に厳しく、細かく注文してくる。しかし、売り上げは上がらない、成果が出ない。すると、広告に問題がある、イベントのやり方に問題があると、細かくクレームをつけてくる。電通としては、それらに全て対応しなければならない。いわば、クライアントのほうも追いつめられているのである。当然、電通の側も追いつめられている。

 ところで、電通ではネット広告がどんどん拡大して、新聞広告と肩を並べる状態になっているのだが、新聞、テレビ、ラジオなどの媒体広告は、クレームが厳しくても、即日、翌日に対応しなければならないわけではないが、ネット広告の場合は、毎日夕方に1日の運用結果が出るので、それをもとに翌日からの出稿について調整しなければならず、クライアントからの要望も数限りがない。つまり、毎日完全に作業に忙殺されることになるわけだ。そして自殺した女性・高橋まつりさんはこの職場であった。

週刊朝日  2016年11月18日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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