日本家族計画協会理事長で婦人科医の北村邦夫さんは「性は股間でなく、脳でするもの」と説く (※写真はイメージ)
日本家族計画協会理事長で婦人科医の北村邦夫さんは「性は股間でなく、脳でするもの」と説く (※写真はイメージ)

 EDや閉経など、中高年になると、性の悩みが訪れる。しかし、知恵と工夫といたわりで解決することも。日本家族計画協会理事長で婦人科医の北村邦夫さんは、幸福な性生活を勧める。

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 思春期の子を持つ“思秋期”の親の悩みをよく聞きます。勃たず、濡れず、痛い。女性は50歳前後から閉経し、男性は機能が衰え始めるころ。

 一方で、年をとっても性生活を楽しんでいる夫婦はいます。僕は、安全、健康、幸福な熟年のセックスに大賛成。ED治療薬をアミューズメントドラッグと呼び、女性に潤滑ゼリーもすすめている。ただ、自分の体力や持病を顧みて、することが大事です。“気持ちいい、死ぬ”と言って、本当に死んだらシャレにならないでしょう。

 閉経したと思って避妊せずに行為し、妊娠した例があります。また、ダンナがイケずに妻がオーラルでするとき、コンドームをしないと危険。口の技も気をつけないと、喉の性感染症になります。

 女性は年とともに性器の位置がずれることがある。“上付き”が“下付き”になり、若いころ気持ちよかった体位が熟年で変わる可能性もあります。読んでいて試したくなったら、大丈夫。あなたには、性欲が残っている! 性は股間でなく、脳でするもの。知恵と工夫といたわりで、幸福な性生活を送りましょう。

週刊朝日 2016年11月11日号