10月30日に、小池氏の政治塾「希望の塾」が、4千人以上の塾生を集めてスタートした。男性から5万円、女性から4万円を徴収した「受講料」収入の合計は約2億円とも言われ、「小池新党」に向けて人とカネが集まりつつあるともとれる。都政新聞の平田邦彦主筆がこう語る。

「127議席中60議席をもつ都議会自民党は簡単には崩れない。来夏の都議選、付け焼き刃の小池新党で30議席もとれるかというと、無理でしょう。自民党に対しては、どこかで懐柔策に出るしかない。小池さんはこれまでケンカをしかけて攻める立場でしたが、今は守る立場。都職員のリーダーとして問題の収束が求められる」

 ただ、自民党側にも弱点がある。前出の都政ウォッチャーは不安を口にする。

「実は自民党都議60人のうち23人が1期生。このまま逆風が続けば、都議選でボロボロになりそうなので、若手を中心に小池さんとの仲良し度をアピールするなど、すり寄る傾向がある」

 今後の小池都政の鍵になりそうなのは、本誌が9月に特報した広尾病院の移転問題だ。

「なぜ、370億円の巨費をかけて青山に移転するのか、不透明。この問題であれば、今なら中止しても大きな損害は出ない」(前出の都庁関係者)

 小池劇場の先に待つのはぶっちぎりの勝利か、はたまた失速か。(本誌・小泉耕平、上田耕司)

週刊朝日2016年11月11日号より抜粋