津田大介「米大統領選を前に 音楽が物語る苦悩」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「米大統領選を前に 音楽が物語る苦悩」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

大統領候補討論会後、報道陣の質問に答えるドナルド・トランプ氏 (c)朝日新聞社

大統領候補討論会後、報道陣の質問に答えるドナルド・トランプ氏 (c)朝日新聞社

 米大統領選で、ミュージシャンらがこのような大規模なキャンペーンに参加するのはこれが初めてではない。2004年の大統領選時には、民主党のジョン・ケリー候補を応援するキャンペーンがあり、人気アーティストたちがスウィングステートと呼ばれる激戦州でライブをした。08年や12年の大統領選では、オバマ大統領を支持するNasやJay‐Zといった大物黒人ラッパーらが支援ソングをネットで公開し、多くの若者にシェアされた。米国民にとって音楽と政治は、切り離せないほど近い距離にあるのだ。

 しかし、今回の「30 Days, 30 Songs」は特定の候補を支援するわけではなく、ネガティブキャンペーンだ。もしかしたら「トランプはもちろんイヤだが、クリントンを支援するのは躊躇(ちゅうちょ)する」というミュージシャンたちが多かったことで、このような形式になったのかもしれない。「嫌われ者同士の争い」の中から選ばなければいけない米国民の苦悩は、投票日を迎えるまで続きそうだ。

週刊朝日2016月11月4日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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