ミッツ・マングローブ「オバちゃんだけが生き残れるテレビと鈴木奈々」

アイドルを性せ!

ミッツ・マングローブ

2016/11/01 11:30

 今のテレビ界における『3大・オバちゃん』は、宮根誠司さん、上田晋也さん、坂上忍さん辺りで間違いないでしょう。さらに、関西オバちゃん界の2トップである今田耕司さんと東野幸治さん、アイドルとオバちゃんの両立に初めて成功した中居くんなど、今日もオバちゃん化した精鋭たちが群雄割拠しているわけですが、不思議と男性ばかり。なぜなら、オバちゃん化した女性タレントは、『ただ歳を取っただけ』と片付けられてしまう傾向があるからで、これを私は『オバちゃん化の男社会』と呼んでいます。また、自らのオバちゃん化に踏み切る勇気も、女性にとっては高いハードルであるのも事実。できることなら、微笑んでいるだけで「カワイイ」だの「綺麗」だのと言われたい。しかし、チヤホヤするためだけの若さや美しさなど、時として邪魔にしかならないのがテレビなのです。

 そんな中、最近、目覚ましいオバちゃん化を遂げている女性がいます。鈴木奈々です。餃子のCMで、『大阪! 大阪!』と意味不明な踊りをしている姿。「若者がちょっとふざけてみました」のレベルではなく、完全に天性の『オバちゃんポテンシャル』です。真似してできるものではありません。大正解だと思います。これでもう鈴木奈々を、『カワイイ』とか『若い』といった文脈で扱わずに済むわけで、さらに需要や効率も上がるんじゃないでしょうか。『おバカちゃん』の『カ』が取れてスリムアップ! アイドルや芸人ではなくモデル出身というのもまた素晴らしい。まさにテレビ的な曖昧模糊。鈴木奈々、気付いたら大物。夢があります。そんな不条理こそが、テレビの魅力であって欲しいと願う今日この頃です。

週刊朝日 2016年10月28日号

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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