映画「インフェルノ」
映画「インフェルノ」

 超大作映画「ダ・ヴィンチ・コード」の第3弾「インフェルノ」の全貌が、10月6日、フィレンツェでの会見で明かされた。小誌は日本の雑誌媒体で唯一取材を認められ、トム・ハンクスとダン・ブラウンから映画と街の魅力を聞き出した。

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 大ヒット映画「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズ最新作「インフェルノ」(10月28日公開)の舞台は、フィレンツェ。原作者のダン・ブラウンは「ここは街全体が美術館です。本を書くには完璧。情熱を注げる場所を選ぶのに、3~4年を要しました」と説明する。

 トム・ハンクス演じるラングドン教授は、全人類の半分を死滅させようという細菌テロを阻止すべく、街を走りながら謎を解く。ロケ地は、ボーボリ庭園、ピッティ宮殿、ヴェッキオ橋、ヴェッキオ宮殿、サン・ジョヴァンニ洗礼堂など。いずれもイタリアを代表する観光名所だ。

「誰がフィレンツェへの無料旅行を断るんだ?(笑)」と笑うトム・ハンクス。

「この街はルネサンスのゆりかご。振り向けば、そこに歴史がある。一方で、自撮り棒が欲しければ、どこにでも売っている便利さもある(笑)。古いものがありながら、今も生き生きしている街で過ごす時間は、とても素晴らしかった。撮影日は、徒歩で現場に向かったんだよ。ヴェッキオ橋を渡り、ボーボリ庭園から一日が始まった。最も印象的な場所? ヴェッキオ宮殿の五百人広間にかなうものはないね。ミケランジェロの『勝利』など傑作彫刻に囲まれて撮影するのは、最高だったなあ。しかも通常なら入れない場所に入ることが許されたからね」

 立ち入り禁止区域での撮影を許可された小誌取材班も実感した。「インフェルノ」のロケ地こそ、花の都の魅力そのものなのだ。

週刊朝日 2016年11月4日号