室井佑月「日本語がまるで通じやしない」と嘆く
連載「しがみつく女」
高市センセイはネオナチ団体と、安倍ソーリは在特会の関西支部長(当時)とツーショット写真を撮ったりしておる。
もうなにがなんだか、わかりまへんな。あたしはもう、あなた方のインテリジェンスについていけない。
南スーダンでは政府軍と反政府軍の争いでたくさんの死者が出ている。なのに、自衛隊を派遣するのは、「衝突事案」であって、戦闘行為じゃないからいいんだと。
説明にもなってないじゃん。彼らには、自分の身近な人が自衛隊員だったらなどという、想像力の欠片(かけら)もないんだろうと思う。
テロ対策についてもそうだ。彼らはテロに屈しないなどと威勢のいい言葉を吐く。が、どうすれば完全にテロを防げるというのか?
首相が海外へ行き、余計な挑発をすればするほど、テロの標的になる確率が高くなる。でもって、それってどうなのと疑問を挟めば、くだらない彼らの仲間から、「テロの味方か」などとヘイトされる。
日本語がまるで通じやしない。
※週刊朝日 2016年11月4日号
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
おすすめの記事
あわせて読みたい