最初に「ウソ」がばれたのは、自民会派の中川勇元市議(8月30日辞職)。当選6回で議長経験もある中川氏。自民会派の内部調査で、2011年度から15年度にかけて、不正請求額が690万円余り認められた。

 不正請求の多くが、印刷代の白紙の領収書を使った架空請求だった。旧知の印刷会社のA社から白紙の領収書を何冊か入手。そこに金額を勝手に記入していた。A社の白紙の領収書は、ほかの市議や県議も不正に使用していた。A社の社長は、こう話した。

「もう、マスコミがたくさん来てたいへんだ。なんで白紙の領収書かって? ずいぶん前に父親が会社をやっていたときのことだから、よくわかりませんよ」

 一方、9月21日に富山市議を辞職した前議長の市田龍一氏は、買っていないプロジェクターなど代金を水増しした事務用品のB社の領収書で政務活動費を不正に受け取っていた。

「ずっと水増しの領収書を書くのは嫌だったが、大事なお客様ですから仕方なかった。口止めされたが、これだけ騒がれて黙っているのはおかしいと思った」

 とB社の社長は困惑した表情だ。辞職した自民会派の別の元市議は、こう話した。

「なぜ白紙の領収書かといえば、代々、先輩から教わってきたから。昔はノーチェックだったが、厳しくなった今でも同じことをやっていれば、そりゃばれます。本当にお恥ずかしい。白紙の領収書はいけません、やめましょう」

 さて、国会議員は……。(本誌・亀井洋志、大塚淳史、吉﨑洋夫、秦 正理/今西憲之)

週刊朝日  2016年11月4日号