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藤巻健史が「デフレから脱却しようして“ドカ貧”になるリスク」を指摘

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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9月26日に始まった臨時国会。参院本会議で28日、代表質問に立つ民進党の蓮舫代表と、安倍晋三首相(後方手前) (c)朝日新聞社

9月26日に始まった臨時国会。参院本会議で28日、代表質問に立つ民進党の蓮舫代表と、安倍晋三首相(後方手前) (c)朝日新聞社

 現在の日銀は、何と90%。98年当時の15%から急増している。9月の金融政策決定会合で、異次元の量的緩和の長期化を決めたから、この数字はもっと巨大化する。ファーガソン教授の警告が杞憂に終わるのかは、歴史が証明することになる。

 2003年、当時の日銀の審議委員だった植田和男氏(現東大大学院経済学研究科教授)が、日本金融学会で記念講演した。ゼロ金利や量的緩和を導入した当時の日銀で、植田先生はその理論的支柱だった。

 「日銀が量的緩和を続けていくと、中央銀行に対する信認の低下につながるリスクがあるという説と、このことによりデフレが克服されれば出口で会計上債務超過に陥っても、一時点での債務超過自体大した問題ではないという説がある。こうした相対立する見方はどちらが正しいのだろうか」と提起し、講演された。

 その上で「ここからの国債購入がきわめて大規模になった場合には、以上で議論したリスク(筆者注:たとえば国債売却で実現損が発生して日銀のバランスシートが毀損すること)が顕現化する可能性は高くなる」と心配されていた。

 日銀の長期国債保有額は当時64兆円だったが、今は340兆円。当時の5倍だ。植田先生がお話しされた「きわめて大規模」に相当すると思う。当時の警告が杞憂に終わるのかも歴史が証明することになる。

週刊朝日  2016年10月28日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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