津田大介「権力腐敗をハッカーに暴かれる時代」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「権力腐敗をハッカーに暴かれる時代」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

週刊朝日#津田大介
トルコで大規模なネット規制がかかる不穏な事態が進行している…(※イメージ)

トルコで大規模なネット規制がかかる不穏な事態が進行している…(※イメージ)

 こうしたネットサービスの遮断は、トルコにとって初めてのことではない。自分たちに都合が悪い情報が流出した際に、それに利用されたインターネットサービスを遮断するのはトルコ政府の常套(じょうとう)手段である。有名なのは、14年3月に起きた大規模汚職事件に関するネット規制だ。汚職事件でエルドアン首相(当時)が息子に資産隠しを指示した会話と見られる音声データがネットに流出。ユーチューブに公開された映像がツイッターで大きく拡散したことから、トルコ国内からツイッターへのアクセスが遮断された。

 15年末には、「テロを称賛」する内容のツイート消去をツイッター社に命じたものの、同社がそれに従わなかったとして15万リラ(約515万円)の罰金を科したが、ツイッター社は言論の自由の観点から、これを無視している。

 マスメディアからネットまで、あらゆるメディアに圧力を強めるエルドアン大統領だが、このネット時代にすべてのメディアを完全にコントロールすることは不可能である。かつては内部告発によって暴かれた権力の腐敗が、今後はハッカーたちによって暴かれるようになるのかもしれない。

週刊朝日  2016年10月28日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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