3月に終了したドラマ「家族ノカタチ」しかり、最近は、等身大のアラサー女性を演じる機会が増えている。「演じることで、いろんな人生を体感できて、役や作品や監督からいっぱいもらうものが多い」と、役者業の面白さを語りながらも、自分が“芸能人”というカテゴリーに括られることには、今も昔も変わらず違和感を覚えるという。

「仕事をして、そのお金で生活するっていうのは芸能人も一般人も同じ。私は、競争も好きじゃないし、ご飯も外食より家で食べるほうが好き。別にこういう世界に属しているから、派手な生活をしているわけじゃない。むしろスーパーに行ったり、お祭りに行ったり、そういう毎日の些細なことが、楽しくて仕方がない。生きていれば、みんな平等に年もとるし、これから子供を産んで育てたりすることになったら、自分の時間なんてなくなると思う。でも、私は一人で生きるより、人と関わるときの面倒なところが、むしろ心地いいと思えるんです。自分よりも何か他のことを優先できるのって、特別なことだと思うから。そういう経験が自分を豊かにして、ひいては役を豊かにするんじゃないかなぁ」

 仕事優先で一人の女性としての生活を疎かにしていた。そんな自分と、今は、大切に丁寧に向き合っている。

週刊朝日 2016年10月21日号