健康に関する情報源の質問では、ネットからの接触が、テレビ・ラジオと並び高い。一方で、信用度を問う質問では、ネットは低くなる。あふれる健康情報を読み解く力(リテラシー)は、“長生き”の術とも言える。最近は医療情報の調べ方講座を開く図書館も増えた。

 高血圧や糖尿病などの慢性疾患といかにうまくつきあうか。がんや脳疾患の治療後、充実した暮らしをどう取り戻すか。長生きは病気にならないだけでなく、病と長く向き合って暮らすことも意味する時代だ。

 そのヒントが闘病記や図書館にある。読書の秋、身近な知の拠点に足を運び、自らの体と心を知るきっかけにしてはどうだろうか。

<闘病記や医療情報について知るための本>
■闘病記案内
・病気になった時に読むがん闘病記読書案内/パラメディカ、ライフパレット(三省堂)
・闘病記文庫入門/石井保志(日本図書館協会)
・生きる力の源に がん闘病記の社会学/門林道子(青海社)
・闘病記専門書店の店主が、がんになって考えたこと/星野史雄(産経新聞出版)
・わたしも、がんでした。がんと共に生きるための処方箋/国立がん研究センターがん対策情報センター(日経BP社)
・ガンと向き合う力 25人のデンマーク人がガン体験を語る/ビアギト・マスンほか(新評論)
・働く女性のためのがん入院・治療生活便利帳40代、働き盛りでがんになった私が言えること/岩井ますみ(講談社)
・はじめよう!がんの家族教室 /小森康永編 愛知県がんセンター中央病院緩和ケアセンター著(日本評論社)
・死にゆく過程を生きる 終末期がん患者の経験の社会学界/田代志門(思想社)

■医療情報案内
・元気が出る患者学/柳田邦男(新潮社)
・からだと病気の情報をさがす・届ける/健康情報棚プロジェクト(読書工房)
・健康・医療の情報を読み解く 健康情報学への招待/中山健夫(丸善出版)
・新「名医」の最新治療2016/朝日新聞出版医療健康編集部(朝日新聞出版)
・患者のための医療情報収集ガイド 北澤京子 筑摩書房
・患者必携 がんになったら手にとるガイド 普及新版/国立がん研究センターがん対策情報センター(学研メディカル秀潤社)

 闘病記案内は埼玉県立久喜図書館の資料リスト「がん、もっと知りたい!」から作成。医療情報案内は編集部作成

週刊朝日 2016年10月14日号