津田大介「違法動画への『リンク』は著作権侵害か?」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「違法動画への『リンク』は著作権侵害か?」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

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ネット上に氾濫する違法動画にユーザーはどう対処すべきなのか (※写真はイメージ)

ネット上に氾濫する違法動画にユーザーはどう対処すべきなのか (※写真はイメージ)

 日本の映画業界も、2000年代半ばに与党の政治家に働きかけることで、07年に「映画の盗撮の防止に関する法律」が制定された。12年には、議員立法で著作権法が改正され、違法な音楽や動画のダウンロードをするユーザーに刑事罰を科すようになった。

 ではなぜ、この『君の名は。』製作委員会は、違法な動画へのリンクをツイートしたユーザーをツイッター上で見つけたにもかかわらず、警察に通報するのではなく、直接ユーザーに語りかける形で呼びかけているのか。実は日本の著作権法では、ツイッターなどで違法にアップロードされた映画を閲覧できる動画サイトに「リンクを張る」行為は違法ではないからだ。「実力行使」ではなく「注意喚起」という形でユーザーに「お願い」する。そうすることで、著作権に関する普及啓発をし、同時に作品のPRにつなげたい狙いがあるのだろう。

 違法なコンテンツに「リンク」を張っただけで著作権侵害かどうかは世界的な問題だ。EUでは既にリンクを張っただけのケースでも著作権侵害が認められる事例が出てきており、日本でも現在、非公開の審議会でこの問題が話し合われている。だが、リンクという行為は、ネット言論において表現の自由の要となる要素。過度に規制することの悪影響も考慮されなければならない。ネットの自由を巡る諸問題は世界規模で新たな段階に入っているのだ。

週刊朝日 2016年10月14日号


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津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

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