“ツレうつ”から10年 「元気づけようと踊ったことも…」と作者振り返る

週刊朝日
 2006年に出版された『ツレがうつになりまして。』。うつ病と闘う夫を支える日々を描いた作品は大きな反響を呼び、2011年には映画化もされた。その作者である細川貂々(てんてん)さん(47)が、自身の経験を踏まえてうつ病を語る。

*  *  *
『ツレがうつになりまして。』を出版してから、かれこれ10年ほど経ちます。

 家族としてどう接すればいいか。母親からは「“がんばれ”って言わないこと」と言われましたが、うーん、難しいですね。人によっても違うでしょうし、病状が波のように下がったり上がったりするので、状況によっても変わります。いくら家族が気を使っても、外出先ではそうはいかない。落ち込んで帰ってきて、布団に入って泣きだしたツレの前で、元気づけようと踊ったこともありますが、ツレに言わせるとうっとうしいだけだったみたい(笑)。

 桜の季節のころ、気晴らしに桜を見に連れ出したときも、「満開の桜を見ると、自分がなんてつまらない存在なんだろうって、憂うつになる」と言われてしまいました。逆効果でした。

 ツレもそうでしたが、うつの人って「このままじゃいけない」という気持ちが強い。だから何かのきっかけでこの状態から抜け出したいって思っています。だから「桜を見に行こう」と声をかければ、「いいよ」って。本人も大丈夫だろうって思っているんです。

 それで実際に外出をすると、自分はまだ追いついていないことに気付いてしまい、それでまた落ち込む。でも、家族としてはそれでいい。連れ出して悪かったって考えるのではなく、まだ早かったんだって体調の目安にすればいいんです。

続きを読む

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック