田原総一朗「特措法での『生前退位』は天皇のお気持ちに合致するのか」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「特措法での『生前退位』は天皇のお気持ちに合致するのか」

連載「ギロン堂」

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生前退位を可能にする特別措置法の整備は天皇の「お気持ち」に反する? (※写真はイメージ)

生前退位を可能にする特別措置法の整備は天皇の「お気持ち」に反する? (※写真はイメージ)

 皇室典範を改正して生前退位を制度化する場合、どのようなケースで退位を認めるかといった要件を定めなければならない。「退位の自由」を認めれば、「即位を拒む自由」につながり、天皇制が不安定になるとの指摘もある。天皇の自由意思によらない退位の強制や、「上皇」という権威の並立といった将来的な懸念をぬぐう必要もあり、改正は短期的には難しいと判断したのだという。

 だが、天皇は「お気持ち」の最後で、次のように述べられている。

「これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。国民の理解を得られることを、切に願っています」

 天皇は、あきらかに特別措置法ではなく、正式の皇室典範の改正を訴えているのである。

 そして皇室典範の正式な改正となると、小泉純一郎内閣で中断した女性・女系天皇問題や、野田佳彦内閣で中断した女性宮家の問題を検討しなければならず、もしかすると政府はそれを回避するために、特別措置法を選ぼうとしているのかもしれないが、それこそ天皇の「お気持ち」に反することではないだろうか。

週刊朝日  2016年9月23日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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