「ANAオープン」に参加する丸山茂樹氏が、注目選手のコンディションを語る。

*  *  *

 僕が次に出る試合が近づいてきました。「ANAオープン」(9月15~18日、札幌GC輪厚(わっつ)コース)です。

 左手親指の状態は相変わらずで、いきあたりばったりのゴルフしかできません。それでもなんとか、そろそろ予選通過といきたいですね。4日間プレーしたいと思ってます。

 輪厚は非常にグリーンが難しいので、パッティングが事を左右するでしょうね。現状では僕のウィークポイントはティーショットなんですけど、試合勘がないから、そこを助けてくれるアプローチ、パターが追いつかなくなるんです。そこを気持ちよくできれば、雰囲気も乗ってくるのかなと思うんですけどね。

 そのANAオープンがホスト大会で、しかも前年の優勝者として参加するのが石川遼(24)です。遼は2週連続優勝を狙った「フジサンケイクラシック」(9月1~4日)では通算4アンダーで2位でした。結構な乱調でしたけど、平気で2位に入ってくるんですからね。やっぱり日本だと、持てあましてる感じじゃないですか。

 まあ気分的にはすごく上を向いてプレーできてますよね。ほんとの手応えは本人にしか分からないので、僕は何とも言えないですけど、だいぶいい内容になってきてると思います。

 10月にアメリカへ戻って来シーズンの米PGAツアーに備えると聞いてますけど、やっぱりこうして日本でいい結果を出してるから、ファンのみなさんは米ツアーでも上位を、という見方をするでしょう。そこで結果が追いついてこないと、「なんでなんだろう」とか「日本だけなのか」なんて言われてね。もうそれは仕方ないです。スーパースターであるがゆえに。それなりにきちんと調整して、米ツアーでこそいいゴルフができるようにしてほしいです。

 
 松山英樹(24)はその米ツアーで、3年連続でプレーオフ最終戦「ツアー選手権」(9月22~25日、米ジョージア州イーストレイクGC)の出場を確定させました。まあ英樹に関してはもう、こんなことで驚くレベルじゃなくなりましたね。次はいつ勝つのかと、待つのみじゃないですか? プレーオフ第2戦も、調子悪いっていったって15位ですから。

 話は変わりますが、広島カープのセ・リーグ優勝が迫ってますね。25年ぶりですって? そりゃあファンの人たちはたまんないだろうなあ。

 カープといえば、去年、大リーグから戻った黒田博樹君(41)と少し接点があります。彼がドジャースに入ってロサンゼルスに来るとなったときに相談を受けたんです。お子さんの学校についてね。それで奥さん同士でやりとりして、ウチの息子が通ってた学校に入ったんです。ロスの自宅はいまも近所ですよ。

 黒田君とは何回か電話でしゃべりましたけど、「僕、あんまりゴルフやらないんで。すいません」なんて言ってました。やわらかい大阪弁でね。

 今シーズンは日米通算200勝を達成して優勝かあ。素晴らしくやりきった野球人生ですよ。同世代として誇らしいです。「ちょっとゆっくりしたいわー」って思ってるんじゃないかな?

週刊朝日 2016年9月23日号

著者プロフィールを見る
丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

丸山茂樹の記事一覧はこちら