社長も仕上がりに満足したようで、

「出版後に『お客さんのところに行くときなんかに、こういう本が出たんですと、話がはずむんだよ』と喜んでいただけました」(田村さん)

 まるか食品の広報担当によると、社長はこの本を見ながら、「これはやったことがあるな」など、盛り上がっていたそうだ。

 レシピを試し、一冊にまとめたのが、編集プロダクション「デュマデジタル」代表の表敏さん。

 一人ぐらしの男性、冷蔵庫の中にあるものとコンビニですぐ買える食材を想定し、バリエーション豊かだが、レシピの多くが簡単に手を加えるだけでできる。

「冷蔵庫に魚肉ソーセージあったな、ツナ缶もある。じゃあ、あとはアレを買えばいいな、といったイメージです」(表さん)

 ペヤングは、麺の太さやソースの味など、あくまでもベーシック。だからこそ色々なバリエーションを受け止めることができるのではないかという。

 表さんは本書のためにペヤングを200個購入。アレンジしては撮影、試食を繰り返した。

「仕上げまでの4日間は徹夜で、さすがに当分食べたくないなと思いました」

 テレビの情報番組で不評だったのが、熱した低脂肪乳でもどし、アイスやホイップクリーム、チョコなどを添えた「ペヤングアラモード」。

 だが、表さんは、

「ずっとソース、ソースと食べ続けていたので、箸休めのような感覚でした」

週刊朝日 2016年9月16日号より抜粋