ミッツ・マングローブ「愛ちゃんと呼ばせる福原愛の熟魔性」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

ミッツ・マングローブ「愛ちゃんと呼ばせる福原愛の熟魔性」

連載「アイドルを性せ!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
問答無用に「愛ちゃん」と呼ばざるを得ない?(※イメージ)

問答無用に「愛ちゃん」と呼ばざるを得ない?(※イメージ)

 だからでしょうか。愛ちゃんには20代女子ならではの初々しさや拙さが、ほとんどありません。ひばりちゃんが「真赤な太陽」をミニスカートで唄ったのが30歳の時ですから、それに匹敵する貫禄です。愛ちゃんにとっての「フレッシュ期」は、「泣き虫卓球少女」の数年間だけであり、ミキハウス所属になった9歳ぐらいを境に「中堅」、ジュニア大会で優勝を重ねていた頃には「ベテラン」の領域に、そして初めてのオリンピック出場となった12年前、本来なら「スタートライン」と位置づけるべき時点において、すでに世間は「集大成」的なものを、愛ちゃんに対し抱いていたと言えます。某テニスプレーヤーとの初スキャンダルも、私には「若い男を手籠めにした老舗ママ」としか映りませんでしたし、「婚姻届を手にした謎の男に追い掛け回される」事件も、普通の19歳では醸し出せない、愛ちゃんならではの熟練された魔性故(ゆえ)のことだったのでしょう。魔性こそアイドル最大の性(さが)。少なくとも世間との関係性において、愛ちゃんは間違いなく魔性の女です。それだけ彼女の人生は世間に翻弄され続けてきましたし、また世間も彼女に惑わされてきました。

 どうですか、今回のリオ五輪での勇姿。まるで極妻の岩下志麻かと見紛うほどの威圧感。ベテランの域を超え、もはや「首領(ドン)」です。問答無用に「愛ちゃん」と呼ばざるを得ない、まさに「魔性の首領(ドン)」。ちなみに、あの髪の引っ詰め具合は、老女優が皺隠しのためにするレベルだと思います。

 美空ひばりが永遠に「ひばりちゃん」であるように、福原愛もまた50歳、60歳になろうと「愛ちゃん」のまま。さもなくば、ひばりちゃんの「お嬢」よろしく「首領(ドン)」と呼ぶしか、私たちに選択肢はありません。私は迷いなく「首領(ドン)」派です。サー!と言えばドン!

週刊朝日  2016年9月2日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい