「私にとってはいたって普通のこと。自然体で人のため役に立てれば、とやっています」(※イメージ)
「私にとってはいたって普通のこと。自然体で人のため役に立てれば、とやっています」(※イメージ)

「私にとってはいたって普通のこと。自然体で人のため役に立てれば、とやっています」

 エイズ、肝炎、公害訴訟、水俣病……20年以上前から、“人災”は、俳優・杉良太郎さんにとって大きな関心事だった。ベトナムへの支援、受刑者更生など、様々な社会貢献活動に携わる杉さんは、4年前から、「知って、肝炎プロジェクト」の特別参与を務め、肝炎に対する正しい知識を広め、偏見や差別をなくすべく働きかけている。

「C型は、飲むだけで完治するいい薬もできています。早期発見につなげるために、一人でも多くの人に検査に行くことを勧めたいですね」

「どうして福祉活動を?」と訊ねられるのが、一番困るという。何かドラマチックな経験をして、福祉に目覚めたわけではない。人気者になってお金がたくさん入ってきて、使い道に困ったわけでもない。

「ある政治家に、『そんなに巨額の寄付をして、芸能人って金持ちなんだな』と言われたことがある。でも実際はそういうわけではない。例えば、中国で文化交流のために約1カ月親善公演をやった時、日本の孤児を育てていただいた中国に感謝し、中国残留孤児に1億円を寄付しました。すでに家も会社も抵当に入っていたので、この身体を担保にして、銀行から1億借りた。10年かかってその借金を返した時、返済額を計算したら1億7500万だった。身体を担保にして銀行からお金を借り、寄付をした者はまずいないと思います」

 子供の頃は、「親孝行のため、お金を稼げる人になりたい!」と願っていた。実際に稼げるようになると、お金に対する執着がなくなった。

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