目覚ましい進化! 大腸がんの薬物治療法とは

 大腸がんのうち、とくに直腸がんの手術は難しい。日本の標準手術では、転移の可能性があるリンパ節も切除するが、この方法で再発するリスクを減らせることが米国の学会で発表された。

 大腸がんにかかる人は年間約13万人いる。大腸は、大きく「結腸」と「直腸」に分けられ、直腸がんは手術が難しく、結腸がんに比べ治療成績が悪い。

 大腸がんは、進行度により0~IVまでの5段階の病期に分けられる。病期0はがんが粘膜にあって大腸内視鏡で切除できる。病期Iは大腸の壁(固有筋層)までにとどまり、手術などでがんの切除がおこなわれる。

 病期IIはがんが大腸の壁の外にまで広がり、病期IIIはリンパ節にも転移がある。手術によるがん切除に加えて、転移の危険性があるリンパ節の切除(郭清[かくせい])も必要になる。病期IVは、肝臓や肺、腹膜などに遠隔転移があり、手術が困難な場合には抗がん剤などで治療がおこなわれる。

 直腸がんの手術が難しいのは、肛門のすぐ上、骨盤の奥に直腸が位置し、膀胱・前立腺・子宮などの臓器や重要な自律神経が隣接しているためだ。

 さらに、肛門からおよそ10センチ以内にがんがある下部直腸がんは、そのほかの大腸がんと違って、直腸から離れた骨盤の側壁にあるリンパ節(側方リンパ節)にもがんが転移しやすい。また、骨盤内に再発(局所再発)が起こりやすい。そのため、下部直腸がんは治療成績が悪い。

 欧米では局所再発を防止するため、がん切除に加えて放射線治療をおこなうのが主流だが、日本では側方リンパ節を切除する「自律神経温存側方郭清」が標準手術として実施されている。

 今年6月に、日本臨床腫瘍研究グループが実施した大規模な臨床研究(JCOG0212)の結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された。病期II、IIIの下部直腸がん手術において、側方郭清をおこなうと局所に再発せずに5年生存する割合が87.7%であったのに対し、側方郭清をおこなわない場合には82.4%と治療成績が悪かった。

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