北原みのり「男たちが考える『女ウケ』」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

北原みのり「男たちが考える『女ウケ』」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

男たちが考える「女ウケ」とは(※イメージ)

男たちが考える「女ウケ」とは(※イメージ)

 2000年代の韓流ドラマブームは、大げさでなく、多くの女の人生を変えた。韓国語を学び、情報収集のためにネットをはじめ、お金が必要になって働きに出る……そんな女性たちを私は取材してきた。韓流といえば、「電通がしかけたんだ」とか「韓流はメロドラマだから女が好む」とか言いたがる人は少なくないけれど、実際に韓流にはまった女たちに話を聞いて実感するのは、「女をバカにしない」物語に日本の女たちが深く飢えていた事実だった。例えば、「善徳女王」という時代劇は良い例だと思う。王を目指す女と、王妃を目指す女が対峙し、国家について語り合うシーンに、私は衝撃を受けたものだ。「民とは夢をみたいものだ」「いいや、民は事実を知りたいのだ」。こんなセリフを女の権力者二人に語らせる日本の時代劇を、少なくとも私は観たことない。想像もできない。

 マーケティング的に女性客が入らなければ興行的にヒットしない、というプレッシャーは制作者側に常にあることなのだろう。でも、その時に考える「女性客」のリアルを、決定権を持つ男性たちは、どれほど見ているのだろう。隣に生きている女の息づかいを、どれほど、繊細に感じているのだろう。

 ちなみに私は、「シン・ゴジラ」の余貴美子さんに痺れた。日本にはいい役者さんがいっぱいいるのだなぁ、と改めて思う。良い日本映画、ドラマもっと観たい。

週刊朝日 2016年9月2日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい