二階:その辺りも含め、万事はこれからですよ。こういうことは政治のテーマとしてみんなで日頃から考えておく必要があるということです。今回の私の発言にしても、以前にも何かの機会で言及していたことを、改めて述べたまで。幹事長になったからといって、以前とまったく違う発言をしても通用しないでしょう。

大下:二階派は、一貫して安倍総裁を支持していますね。昨年9月の総裁選の時にも真っ先に安倍支持を打ち出し、派閥全員の署名を提出していましたね。

二階:あの時はちょうど埼玉県の秩父で派閥の研修会をしていたんです。みんなで議論をして首相の再選を支持することで意見が一致したので、意思表示をしておこうと。派閥に限らず、何かを主張する時にそのグループの意見が割れていたら意味をなさない。我々は全会一致で、みんなで火の玉のようになって安倍政権を支えようという決意を表明したわけです。それ以上でも、それ以下でもありません。

大下:ただ、総裁任期の延長については反発の声も出てきています。例えば今回の内閣改造で閣外に出た石破茂前地方創生相は二階さんの発言に対し、「まだ任期が2年もある状況で今のうちに変えるというのは、国民も違和感を感じている人は多いのではないか」と、不快感を示しました。

二階:しかし、そう言う石破さんも私が発言するより前に、同じ趣旨のことを言っているんですよ。7月12日にテレビ番組に出演して、総裁任期延長について「大義があって、自民党で決まれば当然ある」と発言しています。その時と今は反対のことを言っているんじゃないですか。この問題は単に安倍首相の任期を延ばそうというわけではない。国民・党員の支持があれば、もう一度総裁選に出られるようにしようとするだけです。党内の支持がなければ当然総裁選に当選できないのですから。いずれにしても、任期満了の年(18年)の党大会で党則変更となると無用な混乱を招きかねないので、今後一定の期間を設けて議論した上で、できれば年内には結論を出したいと思っています。(構成 本誌・小泉耕平、上田耕司)

週刊朝日  2016年9月2日号より抜粋