五輪メダル、出身地別ランキングと大学別ランキング
五輪メダル、出身地別ランキングと大学別ランキング

 平成に入ってから、開催された夏季五輪は7大会。日本人五輪メダリスト(個人、団体)の出身地(都道府県)、出身大学に特長があるのか、調べてみた。

【写真特集 全日本人メダリストの勇姿】

 出身地別で1位に輝いたのは大阪府(46個)。2位に東京都(40個)、3位に神奈川県、福岡県(30個)と、人口が多い大都市圏が上位を占めた。メダル0は、山形、香川の2県だった。

 スポーツジャーナリストの生島淳さんは、出身地別ランキングをこう分析する。
「大都市圏はさまざまなスポーツができるインフラが整っています。才能のある人間が自分に合ったスポーツを見つけやすいのでしょう」

 注目すべきは7位にランクインした青森県(15個)で、うち9個はレスリングだ。今大会で4連覇を達成した伊調馨やグレコローマン59キロ級で銀メダルを獲得した「忍者レスラー」こと、太田忍も青森出身だ。

「地域にレスリングクラブがあり、幼年期からレスリングができる環境が大きい」
 そう語るのは、青森県レスリング協会事務局長の高橋信明さん。

「伊調千春、馨姉妹は、小中学校時代から、『お前は将来オリンピックに出るんだ』と鍛えられており、本人たちもそのつもりでいたようです」

 シンクロナイズド・スイミングでは、関西勢が強い。京都16個、大阪10個など、メダリストの大半が関西出身者だった。シンクロも習える水泳クラブ・京都踏水会によると、

「小中学生などジュニア世代をうちで育成し、有力な選手は井村シンクロクラブ(SC)に移籍する体制が確立しています」(同会広報担当)

 バルセロナ五輪銅メダルの奥野史子をはじめ、アテネ五輪銀メダルなどの立花美哉も同会出身。今大会銅メダルを獲得した乾友紀子は井村SCの所属で、同会でも練習したという。

 柔道は全国からメダリストを輩出しているが、目立つのは福岡県。福岡県柔道協会理事長で、モントリオール五輪金メダリストの二宮和弘さん(69)はこう言う。

「福岡は、戦前から柔道が盛んで、かつては福岡を制する者は九州を制し、九州を制する者は日本を制すと言われたほど。元五輪選手も後進の指導に当たっている。そういった土地柄がメダリスト輩出につながっているのでは」

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