室井佑月 民進党の行く末に「さっぱりわからないんだよね」
連載「しがみつく女」
「まず『政策なくして路線なし』だ。(中略) 政権選択選挙において、綱領や政策が違うところと一緒に政権を目指すことはありえない。これは明言する。ただ、去年の夏から今年の夏にかけて、日本の政治の風景はずいぶん変わった。例えば子育ての問題とか、あるいは安全保障とか、総理の憲法の扱い方に対して実に多くの人たちが声をあげて動いてくださった。これは新しい景色だと思っている。この声に対して全ての野党が向き合い、呼応して代弁した。この新しい動きは、私は大切にしたいと思っている」
だから、どっち? だいたい子育ての問題は、金の問題。税金を優遇されている大企業と戦う気があるのかが今、問われている。
この後も記者に何度もこの問題を訊ねられ、
「綱領や政策が大きく違うところとは当然一緒に政権は目指すことができない。ただ、だからといって国民の皆様方の声に背を向けるのも、これも(できない)」
と答えてる。
どうするっていうねん。
「(安倍晋三政権との一番の違いは)いろいろ違うところしかないと思うが、女性が代表になるというところが一番違うのではないか」
百合子の二番煎じを狙っているのか? 「富士山から飛び降りるくらいの覚悟だ」とキャッチーな言葉を出し、問題は先延ばし。
ひょっとして、このまま中途半端な感じで消滅するのが美学だったり? それが民進党だったり?
※週刊朝日 2016年8月26日号
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
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