2012年、ジミー・ペイジが来日、ステージを見に来た。終演後、だれよりも早くスタンディング・オベイション。長大複雑なソロを弾きこなしたジミーさんに、「どうやって音をとったんだ?」と真顔で聞いたという。

写真集を見たり、ブートレグ(海賊盤)を聴いたりで、ただただあなたを追いかけてきたんです」。そう答えたジミーさんに、ジミーは「あのときどんな音楽的冒険をしようとしていたのか、初心を思い出したよ。君は僕を知っている」と感嘆しきりだった。

 レッド・ツェッパゲイン史上最強メンバーによる公演(※)が10月21日、22日、東京・六本木である。本公演に先立ち、6月、東京・渋谷でジミーさんとツェッパゲインメンバーの一部による、顔見せ公演があった。「音楽的ストーカー」たちのステージは、最初、不思議な感じ。じき、のめり込み、最後は笑いつつも「狂熱」する。

 違うよ。馬鹿になんてしてないよ。人が本当に笑うのは、人間という生物の不思議さを、いとおしく思うときなんだ。

※「『狂熱のライヴ1973』~4th Night Of M.S.G.~」の会場はEX THEATER ROPPONGI(TEL:03‐6406‐2222)

週刊朝日 2016年8月26日号