田原総一朗「『玉音放送』にも匹敵する天皇の『お気持ち』表明の重み」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「『玉音放送』にも匹敵する天皇の『お気持ち』表明の重み」

連載「ギロン堂」

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今回の「お気持ち」の表明は、71年前の「玉音放送」に匹敵する重さが感じられた(※イメージ)

今回の「お気持ち」の表明は、71年前の「玉音放送」に匹敵する重さが感じられた(※イメージ)

 天皇はこれまでも、国政にかかわらないとしながらも沖縄やサイパン、パラオなどを訪ねて犠牲者を慰霊し、あのような戦争を二度と行ってはならないと行動で示してきた。また、平和憲法を守るという強い姿勢をことあるごとに示してきた。

 おそらく、父親の昭和天皇が皇太子に、昭和の戦争と天皇の立場について詳しく話をされ、天皇の戦争責任についても率直に話をされたのではないか。天皇はこれを重く受け止め、犠牲者を多く出した激戦地を無理に無理を重ねて回っている。そして憲法第4条の違反にならないぎりぎりの範囲で、平和憲法を守るという趣旨の言動を続けている。これは右派の政治家や学者たちにとってはいささかならず違和感があるはずで、そのための緊張感が「お気持ち」の表明にはにじみ出ていた。

 なお、「生前退位」が可能になると、権力者にとって気に入らない天皇が強引に退位させられる危険性があると右派の学者たちは指摘するが、「高齢、体調の悪化などで、天皇自らが求めた場合」などと、皇室典範に書き入れればよいのではないか。

 そして、私は皇室典範を改正する場合、「女性天皇を認める」「女性宮家を認める」の2項目を追加すべきだと考えている。

週刊朝日 2016年8月26日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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