「アルバムを作った原動力は何かと考えたとき、それは、“性欲”みたいなものなんじゃないかと。しかも、作り手である俺が、もう49年も生きている。ここにあるのは青臭い性欲じゃなく、49年分の官能(笑)。ジャケットも懐かしの『漫画エロトピア』の表紙を再構築してます」

 テクノとは、いわゆる打ち込みのサウンドだが、卓球さんが手がける音楽は肉感的かつ生々しい。

「俺たちの時代は、全部工夫から入ってるから。最初にYMOを聴いた時も、シンセサイザーなんて持ってなかったから、どうやったらこんな音が出せるんだろうって、自分たちなりに工夫してた。その工夫がまた楽しかったんだよね」

 常に最先端の音楽を発信し続ける卓球さんだが、この先、長く音楽を続けていきたい欲はあるのだろうか。

「先のこととか、全然考えてない。だいたい、こんな生活してて、長生きなんてするわけないじゃん。健康とか、まったく興味ないし(笑)」

週刊朝日  2016年8月19日号