田原総一朗「小池百合子大勝を呼び込んだ都民の『激情』」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「小池百合子大勝を呼び込んだ都民の『激情』」

連載「ギロン堂」

大勝した理由とは?(※イメージ)

大勝した理由とは?(※イメージ)

 例えば、米国の大統領選挙の予備選で、当初は泡沫と見られていたトランプ氏が予想を裏切るかたちでどんどん勝ち進み、ついに共和党の大統領候補になってしまった。共和党の本流の有力者たち、そしてマスメディアもまったく予想していなかった出来事である。

 その原因は、米国民の多くが、共和党、民主党を問わず、政治も経済も含めた現状に強い不満を抱いていることではないか。ともかく現状を変えたいという憤り、その激情がトランプ氏を勝たせたのだ。

 英国が国民投票でEUからの離脱を決めたのも、これに酷似していて、キャメロン首相(当時)など内閣の多く、そして学者やエコノミストたちも、ほとんど離脱などあり得ないと判断していた。ところが米国と同じく、現状に対する国民の激情がプロたちの予想を大きく上回った。

 小池氏の大勝も、与野党を引っくるめて日本の政治・経済の現状に対する都民の強い不満、言葉に表現できない激情があったためだと私はとらえている。だが、今回の内閣改造を見ると、安倍首相にはどうもその危機感が伝わっていないようだ。

週刊朝日  2016年8月19日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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