日本は既にヘリマネ導入? フジマキが指摘

虎穴に入らずんばフジマキに聞け

藤巻健史

2016/08/04 07:00

 日銀発行券と日銀当預を合わせたベースマネー残高がヘリマネの規模。その額は6月で392兆円と、20年前の約8倍になった。

 政府は今年度、約150兆円の国債を入札で市中の金融機関に売り出す。その8割の約120兆円分を日銀が買い取る。金融機関は日銀への転売で利ざやを稼ぐために応札しているとされ、「市場にワンタッチさせての日銀引き受け」だ。

 つまり、日銀が今やっていることは、実質的にヘリマネ「散布」。サッカーで例えると、ゴールを直接ねらう直接フリーキックか、他の選手にワンタッチさせてゴールをねらう間接フリーキックかの差にすぎない。

 今回の騒動、最初に火をつけたのは英国金融サービス機構(FSA)のアデア・ターナー元長官だと理解している。ただ、日本が既にヘリマネを実質的に「散布」している事実を、彼は知らなかったのだと思う。知っていたら、そんな提言をしなかったはずだ。

 ところで、冒頭の記事を書いた奇人変人は、お恥ずかしながら私。最近では、「ハイパーインフレを引き起こす最悪の政策」とヘリマネ反対論の先頭に立つのは皆さまご承知の通りだ。

 いつも同じことを言う頑固おやじと思われる方もいるかと思いますが、私も成長しているのです(笑)。

週刊朝日  2016年8月12日号

藤巻健史

藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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