こうした言動から、前述のように園側の面談→措置入院という流れになるわけだが、退院後、植松容疑者は通院を拒んだ。友人にはこう話している。

病院はきつかった。二度と行きたくない。うまく医者に話をつけて出てきたが、通院はしない」

 4月にはバイク仲間の友人は「障害者なんていらねえ。国の税金の無駄だ」「障害者を殺す」といった暴言を聞かされた。同じころ、別の友人(26)は、「動けない、話せない障害者はごみ。もう自分でやるしかない。動かないから刃物でやれる。ただ、数が多いから大変だ」と犯行を予告するような言葉を聞き、驚いたという。2人とも、「以前の植松君じゃなかった。整形でもしたのかと思うほど表情も変わり、全然人格が違っていた」と振り返る。

 6月には前出のキックボクシングジムを再訪。「格闘技の試合に出る」と言い、7、8回練習した。最後に顔を見せたのは、犯行4日前の7月22日だった。

 事件前日の25日。植松容疑者が相模原市内のファストフード店の駐車場に車を放置していたとして、津久井署が同署に呼んで注意している。署も園も警戒していた男である。このとき、署員が彼の胸中を覗いておけば……と考えるのはさすがに酷だろうか。

週刊朝日 2016年8月12日号