「マグロ3点セット」が人気(※イメージ)
「マグロ3点セット」が人気(※イメージ)
2015年度のふるさと納税の受け入れ額番付
2015年度のふるさと納税の受け入れ額番付

 寄付をすれば、米や果物などがお礼に届くふるさと納税。「返礼品競争」との批判はあるが、自治体も財源集めと地域PRの一石二鳥のチャンスを追い、ブームは続きそうだ。まだ「納税者」でないアナタ、始めない手はないですよ。

 仕組みはシンプル。自治体に「寄付」をすると、税金の控除があり、たいていは返礼品も受け取れる。

 寄付する先の自治体は約1800もある。このうち8割の約1500自治体が返礼品を用意している。どこを選ぶか迷う人の参考になるのが、受け入れ額の実績だ。

 本誌は総務省の資料をもとに、2015年度のふるさと納税受け入れ額上位の市町村の番付をつくった。

 東日本の横綱は38億円を集めた焼津市(静岡県)で、西日本は42億円の都城市(宮崎県)。西の上位は九州の自治体がずらり。東は山形、静岡、長野の各県内の市町村が目立つ。「集金力」の強さの秘密は、やはり魅力ある返礼品。「日本一の肉と焼酎」をPRする都城市は「宮崎牛のサーロインステーキ200グラム2枚」や「黒豚の切り落とし4キロ」が人気。ともに1万円の寄付でもらえる。

 PRの仕方もウマい。

 例えば、肉など返礼品の情報を「7/23入荷予定!限定250セット」などと、ホームページで告知する。毎月2回、土曜日18時から受け付け開始が多く、「納税者」は注目。市によると、数分間で品切れとなることもあるという。

 焼津市は「マグロ3点セット」が人気。焼津ミナミマグロの中トロ付き薄切りブロック250グラム、赤身180グラム、ビンナガマグロ250グラムが届く。

 こうした返礼品は、どのくらいの価値があるのか。自治体関係者によると、人気の品は寄付額の5~6割ほどの価値。ある自治体への取材では、1万円の寄付への返礼品について、「地元では5千円ほどだが、東京で買えば1万円を超す」。

 西の前頭4枚目、久留米市(福岡県)の返礼品は、豚骨ラーメンやもつ鍋のほか、タイヤや紳士靴。ブリヂストンの工場や靴メーカー、ムーンスターなどの本社がある「ゴム産業の街」のためだ。2千円の寄付で1ポイントもらえ、数に応じて品物を選べる。翌年度に持ち越すこともできる。

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