まさにその本場の伝統的な一口サイズのスタイルを貫き、「手軽なのに、とっておき」のキャッチフレーズどおり、選び抜かれた食材にこだわったのが「赤トンボ」の「サンドウィッチ」改め「サンドウヰッチ」だ。

「人間で言えば“還暦”にあたる創業60年を機に表記を変更した」とか。その歴史は、1950年の銀座・並木通りに誕生したサンドイッチパーラーに遡る。

 現在は日本橋の店舗(完全予約制)のほか、日本橋と新宿の高島屋で販売中。ちょっとしたパーティー向けの数を頼む場合は予約が必要。

 私がいちばん感動した「赤トンボ」体験は、某グループのリーダーで、気遣いと人柄が有名な男性アイドル(大人の事情で名前は明かせない)が、私の担当する番組宛てに差し入れてくれたときだ。前回の収録で、彼が主演する映画のPRを共演者がしたことに対する「御礼」の差し入れだった。

 上等な洋菓子が入っているかのような箱。見た目も味も最高にエレガント。「赤トンボ」のサンドウヰッチは、グルメリポーターの彦摩呂さんの食リポではないけれど、まるで「宝石箱」だ。送り主の心遣いが伝わる差し入れだ。

週刊朝日 2016年8月5日号

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山田美保子

山田美保子

山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める

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